研究室活動

コミュニケーションシステム研究会(CS)@宮古島

2025年3月6~7日に沖縄県宮古島で開催された「電気情報通信学会コミュニケーションシステム研究会(CS)」でB4の中田と高尾が口頭発表を行いました.
発表題目は以下の通りです.

Bluetooth Channel Soundingを用いた人の存在検知手法の提案

  • 中田裕也・Erdélyi Viktor(阪大)・李 超然,加藤健志,内山 彰(阪大)
  • 概要: 子供が車内に取り残される事故は, 国内外問わず深刻な社会問題となっている. 置き去り防止のため,重量センサ,カメラ,ミリ波レーダーなど,様々な機器を用いた方式が提案されており,それらの一部は既に実用化されている.しかし,導入コストの問題や,車内に配線を追加する空間が不足しているという問題がある.これらを解決する方法として,我々は多くの車に搭載されている Bluetooth 機器に着目し,Bluetooth Channel Sounding を用いた人体検知を検討している. Channel Sounding は,測距を目的とした技術であり,複数チャネルにおいて高精度な位相情報を取得できる.人などの電波に影響を与える物体が Bluetooth 機器付近に存在する場合,Channel Sounding で取得される位相情報には変化が生じると考えられる.そこで,本研究では位相情報の変化を利用し,機械学習による人体検知を試みる.シールドルームにおいて,車内を想定した環境を構築し,ペットボトルや缶などの物体と人体を対象に,ランダムフォレストによる分類精度を評価した.その結果,人体に対しての Recall は 0.982,Precision は 1.0 となることが分かった.

Wi-Fi CSIによる屋内ドローンのプロペラ回転数推定手法の提案

  • 高尾悠太・Erdélyi Viktor(阪大)・Ho Anh Van(北陸先端大)・尾原和也(NTT AS)・岸野泰恵(NTT CS)・内山 彰(阪大)
  • 概要: ドローンの活用は屋内でも検討が進んでおり,商品のピッキングや配送,ショーイベントなどへの応用が期待されている.ドローンの制御においては,プロペラの回転数を高精度に測定することが求められる.これまでに様々なセンサを利用した手法が提案されているが,新たなセンサを追加する導入コストや重量増加は,特に屋内で想定される小型ドローンにおいて課題となる.そこで,本研究では Wi-Fi Channel State Information (CSI) を用いた屋内ドローンのプロペラ回転数推定手法を検討する.Wi-Fi は通信目的でドローンに搭載されていることが多いため,導入コストや重量の増加を避けることができる.CSI は送受信機間での電波の変動を表すため,プロペラの回転に伴う電波の周期的な変動を捉えることで,回転数推定を実現する.本研究の実現可能性を確認するため,シールドルームと,外部電波干渉のある研究室環境で実験を行った.その結果,シールドルームにおいては誤差 1% 以下での測定が可能であった.また,研究室環境において送受信機間の距離が 8 m の場合でも,誤差は最大 1.1% となり,高精度な回転数推定が可能なことが分かった.