公共空間における訪問者の移動パターンを理解することは、交通サービスの最適化やアクセシビリティの向上に不可欠です。本研究では、和歌山城公園内の移動パターンをアンケート調査に基づいて分析しています。参加者には、モビリティビークルを使用して最初に訪問しようと考えていた場所(想定目的地)と、最終的に到達した場所(実際の目的地)を報告してもらいました。これらの回答から各個人の移動経路を再構築し、意図した移動ルートと実際の移動ルートの距離差を定量化しています。さらに、統計分析や反実仮想分析を通じて、アクセシビリティの制約、環境条件、意思決定プロセスなど、移動行動の逸脱に影響を与える主要な要因を特定しました。この結果は、ユーザーのナビゲーション上の課題を理解し、歴史的およびレクリエーション施設におけるより効果的なモビリティサービスの設計に役立つ知見を提供します。
発表論文
- Mishra, M., Kala, S. M., Amano, T., & Yamaguchi, H. (2024, October). Balancing Privacy and Planning: Using Counterfactuals to Predict and Optimize Tourism in Wakayama City. In Proceedings of the 2nd ACM SIGSPATIAL International Workshop on Geo-Privacy and Data Utility for Smart Societies (pp. 25-30). https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/3681768.3698504