ニューラルネットワークを用いた歩行流制御施策の最適化

スポーツイベント,コンサート,ライブパフォーマンスなどは多くの人を集め,そのようなイベント終了後の帰宅時の人の密集は,転倒事故,緊急時避難の阻害,犯罪の危険性など,人々の安全が脅かす可能性を高める.
そのため、適切な群衆誘導や交通計画、警備の強化が求められる.
特に,段階的退場や回遊促進などの行動変容による混雑緩和が注目されている.
しかし、施策の効果やコスト効率の予測が難しく,大規模シミュレーションには膨大な時間がかかるため,従来手法では最適施策の探索が非効率となる.
そこで,本研究ではニューラルネットワークを用いたマルチエージェントシミュレーションの代理モデルを構築し,そのモデルの勾配情報を活用して最適な施策の探索を行うことで,迅速に最適な施策を導出します.



発表論文

  • 田中福治, 天野辰哉, 内山彰, 廣森聡仁, 山口弘純, 中村佑輔, 小出英理, 勝間田優樹, “匿名化処理されたメッシュ間移動データからの人流再現手法の検討,” モバイルコンピューティングと新社会システム (MBL-105) , pp1-3, 2022年11月.
  • 田中福治, 天野辰哉, 内山彰, 廣森聡仁, 山口弘純, 中村佑輔. (2024). ニューラルネットワークを用いた歩行流制御施策の最適化手法の提案と評価. 研究報告モバイルコンピューティングと新社会システム (MBL)2024(15), 1-8. https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/records/232575
  • 田中福治, 天野辰哉, 内山彰, 廣森聡仁, 山口弘純, 中村佑輔. (2024). 模倣学習型ニューラルネットワークを活用した歩行流制御施策の最適化. 第 86 回全国大会講演論文集2024(1), 41-42. https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/records/236338
  • F. Tanaka, T. Amano, A. Uchiyama, A. Hiromori, Y. Nakamura and H. Yamaguchi, "Policy Optimization for Pedestrian Traffic Management by Surrogation of Simulation Models," 2024 IEEE 21st International Conference on Mobile Ad-Hoc and Smart Systems (MASS), Seoul, Korea, Republic of, 2024, pp. 203-211, https://ieeexplore.ieee.org/document/10723552

キーワード

混雑緩和 マルチエージェントシミュレーション 勾配降下 施策最適化

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