日本人の一日の平均着座時間は約7時間と非常に長く,これは先進国及び中所得国20か国の中で一番長いと言われています.またデスクワーク時に姿勢を意識するということは非常に難しく,長い時間姿勢を意識せずに着座を続けていると,身体に大きな負担がかかってしまいます.この問題の解決方法として,センシングを利用した姿勢推定により,デスクワーク時の姿勢をモニタリングし,着座者に提示することで行動変容を促すようなサービスが考えられます.
センシングを利用した姿勢推定は,多数行われていますが,カメラや専用のデバイスを利用するものが多く,プライバシの侵害や導入コスト等の問題点が存在します.プライバシを侵害せず,高精度に姿勢推定を行える手法として,三次元点群データを利用した方法が提案されています.しかし,三次元点群データを取得するデバイスは,本来,自動走行や地図作成など,高密度の三次元点群データが必要な用途のために設計されたものであるため,高価,かつ,サイズが大きく,個人の姿勢を推定するような用途には向きません.
そこで本研究では,比較的安価,かつ,卓上に設置可能な大きさで三次元点群データを計測可能なHitonavi-µを用いた姿勢推定手法を提案しています.
提案手法では,Hitonavi-µを用いて取得した着座姿勢の三次元点群データから特徴量を抽出し,深層学習モデルにより着座姿勢を推定します.
発表論文
- Hikaru Katayama, Teruhiro Mizumoto, Hamada Rizk and Hirozumi Yamaguchi, "You Work We Care: Sitting Posture Assessment Based on Point Cloud Data", Proceedings of the 2022 IEEE International Conference on Pervasive Computing and Communications Workshops and other Affiliated Events: Demos, pp.121-124