人物識別, 3次元点群, 小型深度センサ(LiDAR)

小型深度センサを用いた三次元点群に基づく人物識別手法

昨今COVID-19の急速な蔓延を制限するために、安全性を向上させるシステムの需要が高まっています。特に、学校や企業などといった特定の閉鎖空間内での感染拡大を防ぐためには人の接触行動の記録が重要です。そして感染を追跡するためにはリアルタイムでの人と人との接触を記録することが不可欠であり、そのようなシステムを実現するためには人物識別を行う必要があります。最も基本的な人物識別手法としてはカメラを用いたものがあります。しかしながら、カメラはプライバシーの侵襲性が高く、トイレや更衣室といったプライバシーに直接関わるような場所への設置はできません。また、心理的にもカメラで直接的に撮られるのは抵抗がある人が多いかと考えられます。

そこで、私たちはカメラほどの侵襲性を持たない3次元点群データを得られる小型の深度センサを用いて人物識別を行なっています。3次元点群は、LiDARというセンサを用いて物体を点群の集まりとしてデータが得られます。これにより得られた人のデータは点の集まりなので、肉眼で見ただけでは性別や年齢、体格といった属性はわかりません。3次元点群を用いて人物識別を行う上での課題は多くありますが、大きく分けると、センサの特性と3次元点群データの表現の特性に分けられます。センサの特性の課題は、得られる点群が疎であり、またノイズが含まれるということがあります。これにより、得られる点群の数が少なくなり、人物固有の特徴を抽出することが難しくなります。3次元点群データの表現の課題は、点群データは画像などと違い、固定されたデータ構造を持たないということがあります。つまり、点群データの得られるサイズはさまざまに変化するということです。
私たちはこれらの課題に対し、複数のモジュールを提案することで解決を図っています。

point cloud

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