
IEEE PerCom 2026
IEEE PerCom 2026にてメイントラック1件・併催ワークショップ5件の計6件の研究発表,ワークショップでの基調講演,パネルディスカッション登壇など
国際会議 · 2026
気候変動に伴う豪雨の頻発化により、過去に記録がない地域でも土砂災害が発生するようになっており、都市環境において高精度な事前予測への要請が強まっています。しかし正確な土砂災害予測には二つの根本的な難しさがあります。一つは観測可能性の限界――地中の水分量や地盤の力学特性など、崩壊に直結する物理量の多くを広域で測定できないこと。もう一つは、降雨や地形、植生、都市構造の地域差により、災害データが強く非IIDな分布を持つことです。
本研究では、この二つの壁を越えるための物理モデル統合型深層学習システムを提案します。三層タンクモデルを物理モデルとして組み込み、その出力を入力特徴として与えると同時に、スキップ接続により異常降雨時の寄与を適応的に制御します。さらに学習時には Stochastic Feature Augmentation を適用し、地域間の分布シフトに対するロバスト性を高めます。
日本国内19地域での評価では、提案システムが学習時に見ていない未知地域に対しても、従来手法を上回るPR-AUCと汎化性能を実現しました。データが乏しく偏りのある災害予測タスクにおいて、物理知識と深層学習を連携させる方向性の有効性を実証しています。
都市防災への応用を見据え、分散学習や気象・地盤観測インフラとの連携を含めた展開を進めています。