近年、地域活性化において歩行者流動データの活用が注目を集めている。現在の歩行者流動を把握することは、観光客や住民を魅力的な地域スポットへ効果的に誘導し、地域の魅力を最大化する上で重要である。スマートフォンのGPS位置情報データの大規模な取得が可能となったことで、特定の移動パターンの把握が可能になった。しかし、これらのデータは広範な概要を提供する一方で、時間的な粒度が粗く、歩行者流動をシミュレーションするために必要な詳細な移動先データが不足しているため、特定のエリア内の詳細な移動パターンを捉えることが難しいという課題がある。
そこで本研究では、時間解像度が低いものの広範囲で利用可能なGPS位置情報データを用いて、歩行者の出発地と目的地(OD)を推定し、約1平方キロメートルのエリア内の歩行者流動をシミュレーションする手法を探求する。
発表論文
- 上垣雅史, 天野辰哉, & 山口弘純. (2023). 広域ロケーションデータとスポット通行データの融合による人流再現手法の検討. 研究報告高度交通システムとスマートコミュニティ (ITS), 2023(23), 1-8. https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/records/229024
- 上垣雅史, 天野辰哉, & 山口弘純. (2024). 広域ロケーションデータとスポット通行量データの併用によるシミュレーション上への歩行者流再現手法. マルチメディア, 分散, 協調とモバイルシンポジウム 2024 論文集, 2024, 1109-1116. https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/records/240266
- Masashi Uegaki, Tatsuya Amano, Hirozumi Yamaguchi, "Simulating Urban Pedestrian Flows by Fusing Wide-Area Location Data and Spot Pedestrian Counts" In Proc. of the EAI MobiQuitous 2024- 21st EAI International Conference on Mobile and Ubiquitous Systems: Computing, Networking and Services,