Network Calculusによる最悪推定値を用いた遅延性能評価の効率化

An Efficient Method for Evaluating Delay Performance Using Worst-Case Estimates Based on Network Calculus

Network Calculusによる最悪推定値を用いた遅延性能評価の効率化

Keywords

車載ネットワークネットワークシミュレーションNetwork Calculus

近年,従来の自動車に搭載されているようなカーナビ,ETC,GPSなどに加え,安心・安全な運転を支援する機能として,車両周辺の人物や物体検知を行うためのLiDARやミリ波レーダー,カメラなど,様々なセンサーが搭載され,それらからの大量の情報を扱うことが求められている.

そのようなデータを処理するため,車両には電子制御ユニット (Electronic Control Unit, ECU) が多数搭載されつつあり,その間での通信を担う車載ネットワークに対する効率性が求められてことに加え,遅延や帯域,優先度など,アプリケーションが要求する異なる通信品質要求を実現することが求められる.

アプリケーションのネットワーク性能を制御する仕組みの一つとして,優先制御や帯域制御などに代表される QoS (Quality of Service) が挙げられる.この QoS により,ネットワーク上のスイッチに適切な設定を施すことで,混在するECUの要求を適切に扱うことが期待される.しかしながら,ネットワーク制御に関わるパラメータは膨大な数となるため,求めるネットワーク性能を実現する設定を導出することは困難である.

本研究では,ある車載ネットワークにおいて,アプリケーションが要求する遅延制御を満たすことができない際,Network Calculus により導出される最悪遅延推定に基づき,少ないテストケース数にて,適切なネットワーク制御方針を導出する方法を提案する.Network Calculusは,ネットワーク性能の重要な要件の一つである最悪遅延を数学的理論を用いて導出する手法で,必ずしも正確な遅延を求めることはできないが,ネットワークシミュレーションに代表される既存手法より,短い時間で遅延を導出することができる.提案手法では,Network Calculus による最悪遅延推定値を用いて,個々のネットワーク制御方針の遅延傾向を推定し,遅延が少ないと見込まれる制御方針をテストケースとして抽出し,これらのテストケースのみを対象としたシミュレーションにより実際の遅延を計測することで,アプリケーションが要求する性能遅延を満たす,ネットワーク制御方針を求める.

発表論文

  • 松田脩佑, 廣森聡仁, 山口弘純, 陶山洋次郎, 泉達也, 浦山博史, 小林史歩, 梅原茂樹, 谷英哲. (2022). 車載ネットワークを対象とした Network Calculus に基づく遅延性能評価手法. 電子情報通信学会技術研究報告; 信学技報122(14), 12-17. https://ken.ieice.org/ken/paper/20220512ECK4/
  • 松田脩佑, 廣森聡仁, & 山口弘純. (2022). Network Calculus による最悪遅延解析を用いた遅延ボトルネック検出法. 第 84 回全国大会講演論文集2022(1), 375-376., https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/records/221358

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