
IEEE PerCom 2026
IEEE PerCom 2026にてメイントラック1件・併催ワークショップ5件の計6件の研究発表,ワークショップでの基調講演,パネルディスカッション登壇など

国際会議 · 2026
将来のD2D(Direct-to-Device)衛星通信では、数千機の超小型衛星が精密に編隊飛行することで分散フェーズドアレイアンテナを構成し、広域カバレッジと高利得を同時に実現することが期待されています。しかし、このような大規模編隊の制御アルゴリズムを設計・評価するには、高精度な軌道力学計算と並列実行性能を両立するシミュレーション環境が不可欠で、既存のフレームワークは片方しか満たせませんでした。

本研究では、大規模衛星編隊飛行のための分散シミュレーションフレームワークを提案します。シミュレーションを軌道伝播・電磁力計算・制御アルゴリズムの独立モジュールに分解し、ROS2のPublish/Subscribeメッセージングで結合します。軌道伝播器は内部で適応タイムステップで進める一方、スナップショット型の同期機構によって固定間隔でモジュール間の状態を整合します。Orekitを基盤として、非球体重力・大気抵抗・太陽輻射圧・三体効果までを含む摂動モデルを組み込みました。
最大10,000機規模の編隊に対する評価実験では、16並列ノード構成のもと完全な摂動モデル下で7.6倍の速度向上を達成し、7日間の二体問題検証シミュレーションにおいてRMS 0.4mm未満の位置誤差に抑えられました。モジュラーアーキテクチャにより、既存モジュールに手を加えず新しい制御アルゴリズムを組み込める点も特徴です。