ワイヤレスセンシング, 家庭内行動認識, Wi-Fi CSI, Wi-Fiイメージング

Wi-Fi信号を用いた環境非依存な家庭内行動認識

 近年,低コストでプライバシの懸念が少ない行動認識手法として,Wi-Fi CSI(チャネル状態情報)を用いた研究が盛んに行われている.CSIは送信信号の振幅や位相がどのように変化して受信機に到達するかを表している.CSIにより,プライバシ,メンテナンス,導入コストといった問題に対処した行動認識が可能となる.しかし,CSIを用いた手法の多くは,環境ごとに学習データを収集して行動認識モデルを構築する必要があり,導入時の手間が課題となる.

 我々の研究では,この課題の解決策として,CSIの分散とWi-Fiイメージングを組み合わせた手法を設計している.対象とするアプリケーションとして,高齢者の見守りや生活モニタリングなどの様々なサービスに有用な,立つ,座る,歩くといった家庭内行動の認識に着目する.人が動くことでCSIの値は変化するため,CSIの分散を用いることで,環境に依存することなく人の歩行を検出することができる.一方Wi-Fiイメージングでは,電波の到来方向と受信アンテナ間距離に基づき幾何的に位相差を定義する物理学ベースのモデルを用いて,方向ごとの電波強度を算出する.物理ベースモデルを用いるため,環境に依存しないイメージングが可能である.イメージング結果から食事(座る),睡眠(横たわる)などの家庭内行動を認識する姿勢の推定を行う.


in-home-har-using-wi-fi-signals

研究内容全体へ戻る