新生児, 熱画像, 部位検出, 体温抽出, 深層学習

新生児熱画像を用いた体温抽出のための身体部位検出法

新生児は体温調節機能が未成熟のため,保育器による適切な温度管理が不可欠です.現状ではプローブを新生児の肌に貼り付けて体温を測定していますが,新生児は肌が未熟であることに加えて手足に動きもあるため,プローブが外れやすく,長期間の測定が難しい場合があります.そこで,非接触デバイスであるサーモグラフィを用いることで,新生児にストレスを与えず全身の体温測定を可能とします.非侵襲的な体温測定を行うためには,まず画像から新生児の位置および測定箇所を推定する必要があります.我々は深層学習を用いて,介入中(医療者による処置中)/非介入中の2値判定や,非介入中である場合の身体部位6箇所(頭部/胸部/右上肢/左上肢/右下肢/左下肢)の検出モデルを構築しました.そして,クラスタリングを適用して新生児領域とその他(毛布や医療器具などの写り込み)領域を分けた上で,検出部位を基にした新生児領域から首元と末梢の体表温度を抽出します.共同研究を行っている医療機関から提供されたデータで解析を進めており,今後は体表温度と深部体温との関連性を調べるとともに深部体温を推定することで,将来的には保育器温度管理の自動化を目指しています.

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