SMART MOBILITY & TRANSPORTATION

スマートモビリティ・高度交通システム 大阪大学 大学院情報科学研究科 山口研

研究キーワード

地域交通 配送・配車最適化 自動運転 スマートモビリティ 車載ネットワーク 車内センシング 混雑予測・緩和 道路インフラモニタリング 車両間通信(V2X) ADS 都市デジタルツイン

現代社会の基盤である交通システムは、経済活動と市民生活を支える一方で、交通渋滞による時間的・経済的損失、依然として後を絶たない交通事故、 環境への負荷増大、地域間の移動格差、そして物流の非効率性といった多くの課題を内包しています。 これらの複合的な課題に対し、デジタルツインやCyber-Physical System (CPS) データ駆動型のアプローチに基づいた研究が進められています。 例えば、車両プローブデータやインフラセンサーから得られる情報をリアルタイムに分析し、精度の高い混雑予測・緩和策を導き出すことで、交通渋滞の緩和や事故の予防を図ります。 また、物流分野やオンデマンド交通サービスにおいては、組合せ最適化や機械学習の手法を用いた配送・配車最適化アルゴリズムの開発により、 運行効率の大幅な向上が期待されています。 他にも交通シミュレーション技術、運転・移動支援技術、運転自動化に向けた研究に取り組んでいます。

合流動作のAI化 Doyoon Lee, Akihito Hiromori, Mineo Takai, Hirozumi Yamaguchi, "Efficient On-Ramp Merging Point Prediction Using Machine Learning", 27th IEEE International Conference on Intelligent Transportation Systems (ITSC 2024). 2024

  • LiDARと広域GPSデータを用いた歩行者流動のシミュレーション Masashi Uegaki, Tatsuya Amano, Hirozumi Yamaguchi, "Simulating Urban Pedestrian Flows by Fusing Wide-Area Location Data and Spot Pedestrian Counts" EAI MobiQuitous 2024 (BEST PAPER AWARD)
  • NICT受託研究 STEAM: スマートコミュニティを支えるエネルギーとモビリティを対象としたセキュアな高信頼フレームワーク 豊岡市・大阪市の交通シミュレーション

NICT受託研究「街の未来を共視する ~住民・自治体・事業者のトリプレット共創型デジタルツイン~」 人々のスマートフォンやインフラ型センサから得られる行動データを基に、新たな移動手段の導入効果と行動変化を予測し、その結果を3次元仮想空間に投影するデジタルツインプラットフォームを開発。 住民・自治体・事業者という三者が協力して街づくりを行う「トリプレット共創」の実現を目指し、和歌山市での電動モビリティ導入による実証実験を通じて効果検証を実施。

NICT受託研究 「Integrated Sensing and Communicationにおけるエッジモバイルコア統合型制御方式の研究開発」 ISAC(Integrated Sensing and Communication): 無線通信とセンシング(レーダーなどの環境検知)を単一のシステムで統合的に実現する技術

高性能計算基盤上での並列マルチエージェントシミュレーションによる交通評価プラットフォーム Fukuharu Tanaka, Haruki Yonekura, Hirozumi Yamaguchi, "Policy Evaluation Platform for Parallel Multi-Agent Simulation on High Performance Computing Infrastructure", SupercomputingAsia2025 Poster

さらに研究トピックの一部を紹介します

機械学習による道路ネットワークを考慮した低粒度GPS軌跡データの復元手法 大阪大学 山口研

機械学習による道路ネットワークを考慮した低粒度GPS軌跡データの復元手法

プライバシー保護とデータ有用性のバランスを考慮し、切り捨てられた低解像度のGPS軌跡データを高解像度に復元する新たなシステムを提案する。本システムは、Transformerとグラフ畳み込みネットワーク(GCN)を統合し、軌跡データの時系列依...

GPS復元 時空間データ Transformer +4
観光地における訪問者の移動パターンの理解 大阪大学 山口研

観光地における訪問者の移動パターンの理解

​公共空間における訪問者の移動パターンを理解することは、交通サービスの最適化やアクセシビリティの向上に不可欠です。本研究では、和歌山城公園内の移動パターンをアンケート調査に基づいて分析しています。​参加者には、モビリティビークルを使用して最...

訪問者の移動パターン 和歌山城公園 反実仮想分析 +4
決定木代理モデルを用いた自動運転のための解釈可能な環境条件認識 大阪大学 山口研

決定木代理モデルを用いた自動運転のための解釈可能な環境条件認識

自動運転において、センサーは周囲環境を認識し、安全な運転を実現する重要な役割を担います。しかし、悪天候や低照度環境ではセンサーの性能が低下し、認識精度が不安定になるため、自動運転車が正確な運転判断を下すことが困難になります。そのため、自動運...

自動運転 環境条件認識 CNN +2
電動キックボードの交通安全支援システム 大阪大学 山口研

電動キックボードの交通安全支援システム

近年、電動キックボード(E-Scooter)は、マイクロモビリティ(Micromobility)の重要な手段の一つとして、世界中で急速に普及しています。その利便性、低炭素排出、および都市適応性の高さから、多くの都市がこれをシェアリング交通シ...

電動スクーター マイクロモビリティ 交通安全 +4
物理情報に基づく敵対的生成ネットワークを用いた車両間遮蔽下でのレンジドップラーマップ生成 大阪大学 山口研

物理情報に基づく敵対的生成ネットワークを用いた車両間遮蔽下でのレンジドップラーマップ生成

近年、ディープラーニングはレーダー技術の可能性を大きく広げています。ニューラルネットワークをレーダーと統合することで、レーダー画像から特徴を自動的に抽出でき、ターゲット検出の精度が向上します。しかし、これらのモデルが効果的に特徴を識別するた...

敵対的生成ネットワーク Physics-Informedモデル FMCWレーダ +4
マルチモーダル融合とLLM駆動による動的環境適応型自律ロボットナビゲーション 大阪大学 山口研

マルチモーダル融合とLLM駆動による動的環境適応型自律ロボットナビゲーション

本研究では、駅や商業施設などの高密度で動的な環境における自律ロボットナビゲーションの課題に取り組むため、マルチモーダルセンサーデータ(LiDARと視覚センサ)の融合と大規模言語モデル(LLM)を活用した適応型ナビゲーションシステムを提案しま...

自律走行 マルチモーダル融合 FPGA +3
介護タクシー配車問題に対する量子近似解法とニューラル融合型の数理最適化アルゴリズムの提案 大阪大学 山口研

介護タクシー配車問題に対する量子近似解法とニューラル融合型の数理最適化アルゴリズムの提案

日本では高齢化が進み、デイサービスなどの介護施設を利用する高齢者が増えている。介護施設へ高齢者を送迎するサービスである介護タクシーは、車両やドライバーの数が限られており、効率的なルート計画が必要になる。また、高齢者の送迎時間は身体の状況によ...

量子コンピュータ 組み合わせ最適化 QUBO +8
高速道路オンランプにおける軽量機械学習モデルによる合流点予測 大阪大学 山口研

高速道路オンランプにおける軽量機械学習モデルによる合流点予測

本研究では、高速道路の合流地点を予測するための軽量な機械学習フレームワークを提案する。従来の深層学習手法とは異なり、本モデルは高い精度を維持しつつ、学習および推論のコストを抑えた実用的なソリューションを提供する。本システムでは、固定カメラで...

運転支援システム マルチ自律走行研究 モデル・技術・シミュレーション +4
線形計画ソルバーと機械学習を用いた介護タクシー配車問題の最適化 大阪大学 山口研

線形計画ソルバーと機械学習を用いた介護タクシー配車問題の最適化

介護施設利用者に対する配車計画をAIを用いて最適化する研究を行っています.高齢化に伴い,高齢者施設の需要が高まっています.送迎は利用者の住居を一軒ずつ順に訪問することで行われますが,快適な送迎を提供するためには,個々の利用者が持つニーズに応...

配送計画問題(Vehicle Routing Problem) 最適化 整数計画問題 +3
Bluetooth Channel Sounding を用いた人の存在検知手法 大阪大学 山口研

Bluetooth Channel Sounding を用いた人の存在検知手法

子供が車内に取り残される事故は, 国内外問わず深刻な社会問題となっている. 置き去り防止のため,重量センサ,カメラ,ミリ波レーダーなど,様々な機器を用いた方式が提案されており,それらの一部は既に実用化されている.しかし,導入コストの問題や,...

Bluetooth Channel Sounding BLE 無線センシング +1
走行時動画像を用いた周辺車両モビリティの検出手法 大阪大学 山口研

走行時動画像を用いた周辺車両モビリティの検出手法

都市環境における車や人の流れを表すモビリティデータは,交通渋滞の原因究明,イベントや災害時における効率的な人の誘導,公共施設や商業施設の立地決定招致テナントの最適化,耐災害に向けた避難指示立案など,多方面における利活用が期待されている.現状...

車載カメラ モビリティデータ 車両検知 +1
交通監視カメラを用いた市街地の車両モビリティ合成手法 大阪大学 山口研

交通監視カメラを用いた市街地の車両モビリティ合成手法

次世代の交通システムはスマートシティやSociety5.0における重要なコンポーネントであり,その実現に向けて様々な研究開発が行われている.EVの普及によるCO2排出量削減量の検証などを始め,それらの取り組みの多くは,地域や都市レベルの大規...

合成モビリティ OD交通量最適化 交通シミュレーション
Network Calculusによる最悪推定値を用いた遅延性能評価の効率化 大阪大学 山口研

Network Calculusによる最悪推定値を用いた遅延性能評価の効率化

近年,従来の自動車に搭載されているようなカーナビ,ETC,GPSなどに加え,安心・安全な運転を支援する機能として,車両周辺の人物や物体検知を行うためのLiDARやミリ波レーダー,カメラなど,様々なセンサーが搭載され,それらからの大量の情報を...

車載ネットワーク ネットワークシミュレーション Network Calculus